歯茎の色素沈着を除去できないかと相談に来られました。
原因はメラニン色素の沈着ですが、そのもとには喫煙があります。この方は禁煙されたとのこと、ではレーザーを用いてメラニンを除去しましょうということになりました。
この術式はいたって簡単で、粘膜に麻酔をかけ、ダイオードレーザーで少しずつ除去します。痛みを心配される方もいらっしゃいますが、麻酔が切れた後もほとんど痛みはないと皆さんおっしゃいます。その日だけ一度痛みを飲めば、翌日には痛み止めは不要なくらいのようです。
1週間で傷は治り、きれいな歯茎となりました。メラニン色素が歯茎深くまで侵入している場合は2度に分けて行う場合もあります。
歯茎をみて茶色の着色がある方、これは安全に、除去することが可能です。一度鏡で歯茎の色をチェックしてみてください。
治療期間 1ヶ月半
治療回数 5回(初診時検査と上下歯肉の経過観察を含む、実質2回)
神経を取った歯は脆く、割れやすくなります。破折が歯茎の奥深くまで達するとやむなく抜歯に至るケースもあります。抜歯に至らない場合でも、歯の破折とともに歯茎の組織も破壊されて審美的に左右のバランスが取りづらくなることがほとんどです。 これを解決する方法は様々な方法がありますが、歯の呈出や再埴などで解決するのが難しい場合、補綴物でカムフラージュする場合もあります。 このケースも歯茎の破壊が進んでおり、補綴物の形態と色に細工を施し、歯肉色のセラミックを使用してセラミック冠を製作しました。
現状ではこの方法が妥当だったと思います。患者様も満足されました。
治療期間 1か月
治療回数 5回
ずいぶん前に装着したセラミック冠の歯茎との間に隙間があいてきたことを訴えて来院されました。
幸い、歯周病の状況には問題なく、冠をやり直すだけでご要望にこたえられることが分かりました。ただ、もともと入っていた冠は古いタイプの金属のフレームにセラミックを焼きつけてある金属焼付け鋳造冠で、そのため、歯茎が下がったところの黒い縁が見えてきています。
今後もし、ほんの少し歯茎が下がっても黒い縁が見えないように、オールセラミック冠で再治療することになりました。
早速はずして歯(支台歯)が虫歯になっていないかチェックします。汚れなどを取り除き仮の歯を入れて、大まかに形や出っ張り具合、さらには咬み合わせをチェックしました。
最終形の予測がついたところで型を取り、セラミック冠を製作しました。オールセラミック冠を使用したことで、色、形、歯茎との調和すべてうまくいったケースです。
治療期間 1ヶ月半
治療回数 5回
他院で中央の2本の前歯にセラミック製のラミネートべニアを装着されましたが、尖端がやや出っ張りすぎてのっぺりしていることを主な訴えとして来院されました。
歯の形と色についてのご希望が、かなり微細なレベルであったので、いきなりはずしてやり直すのは危険と考えました。そこで、まず取りはずす前に、光で固まる白い樹脂製の充填用のレジンを、ラミネートの上に盛り上げて、どのような形がお望みかを試行錯誤しながら追求しました。
大まかですがご希望の形が見えてきたので、はずして型取りをし、一時的に仮の歯に変えました。
トライアルのおかげで最終形にある程度の予測をつけながら製作できました。
■治療期間 4か月
■治療回数 16回
生まれつき歯の色が変色している場合があります。多くは胎児期に母親が摂取した薬(テトラサイクリン系薬剤)によって歯の色自体がややくすんだ色になるもので、ホワイトニングでは治りません。
歯全体を削って冠を入れることは可能ですが、削った歯のエナメルは2度と戻りません。虫歯ではないので、健全な歯を大幅に削ることになるので歯科医としてはできれば避けたいところです。
ですが、歯の色を普通の白さにしたいお気持ちもよくわかります。そこで、普通とられ手法はセラミック製のラミネートべニアです。
上下とも同じように変色していましたが、下唇の位置が高く、下の歯がほとんど見えないことから上の前歯6本にラミネートべニアを入れることで色の改善を図ることにしました。
外側の表面を一層削って用意しておいた仮の歯を入れて、形や出っ張り具合をチェックしました。これでオーケーとなってから型取り、ラミネートべニアを製作しました。
本ケースでは、一度トライアルのステップで、正中がずれていたので、再度修正して満足にいく結果となりました。
治療期間 1ヶ月半
治療回数 6回